用水路掃除ロボットとは

移動や持ち運びが容易で、簡単に操作ができる農業用ロボットは、これからの農業に必要不可欠な存在です。

「用水路の掃除」という仕事

用水路は、人工的に作られた水路を指します。

都心部や市街地、住宅地などでは「用水路の掃除」という仕事があまり身近ではありません。

下水道が整備されていて、道路の側溝から用水路に流れ込むものも雨水や小さなゴミ程度なので、住民が掃除をする機会がほとんど無いためです。

一方で田舎の農村部などでは、日常的に「用水路の掃除」が行われています。

農村部においては、用水路が非常に重要な役割を担っているためです。

「人食い用水路」と呼ばれ、長きにわたって事故が絶えなかった岡山県の用水路も、

この「用水路の掃除」が一因だといわれています*。

安全対策の障壁として、柵や蓋の設置で車が通れなくなったり用水路の清掃ができなくなったりして、住民生活が不便になる箇所も多数あり、柵などを設置したのに住民の苦情で撤去した例

産経新聞「「異常と思わないのが異常だ」県警本部長も絶句…なぜ起きる？岡山特有の用水路転落死亡事故」https://www.sankei.com/article/20160323-HZGP737WW5PRLERGFFK6CVY2VA/4/（2016/03/23）

農村部における「用水路」の重要性

農業に必要な水「農業用水」を確保するため、農村部には様々な施設や水路が整備されています。

　● 川の水を堰き止めて用水路に取り入れるための施設「頭首工」

　● 頭首工で取った水を農地に運ぶための水路「農業用水路」

　● 田んぼから排出されたみずを川へ流すための水路「農業排水路」

　● 頭首工で取った水を農業用水路に公平に配分するための施設「分水工」

などです。

「用水路掃除」の課題

側溝内への出入りや、水を含んだ重い土砂の除去作業を行う用水路の掃除は、大変な重労働です。

過疎化や高齢化が進み、用水路掃除が困難な地域も少なくありません。

農業界にも様々なロボットが登場する中で、用水路掃除の解決に取り組むロボットも増えつつあります。

日本ではまだあまり一般的ではありませんが、海外では実用化も進んでいます。

高齢者にも移動、乃至は持ち運びが可能で、簡単に操作ができる用水路ロボットは、これからの農業に必要不可欠な存在です。

形状から見る 農業ロボット

農業界には、実に様々なロボットが登場しています。

車両型ロボット

車輪で走行し、それぞれ所定の作業を行う農業機械をほぼそのまま「ロボット化」したものを指します。

トラクタ、田植機、コンバイン等がこれに該当します。

車輪やクローラ等で構成されている「車両型」の走行部を有し、畦畔や柵等で一定区画に区切られた農耕地「圃場」の内外を走行します。

#位置 #姿勢 #方位 #経路誘導 #機構制御

設備型ロボット

施設に備え付けられているロボットを指します。

酪農における搾乳や給餌の施設、施設園芸で行われる接ぎ木や、選果などの作業工程の一部若しくは全体を担います。

#物体・位置検出 #シーケンス制御 #生体ハンドリング

マニピュレータ型ロボット

人が手や簡単な道具を使って行う、収穫や管理、運搬などの作業を代わりに行うロボットを指します。

#画像処理 #機構制御 #生体ハンドリング

アシスト型ロボット

ロボット技術を使用若しくは応用し、農作業における作業者の負担軽減を目的としたロボットを指します。

マニピュレータ型と同じく、収穫や運搬などの作業に用います。

#人間科学 #人間労働科学 #モーター機構制御 #モーター駆動制御

ドローン

無人で遠隔操作や自動制御によって飛行する小形の航空機で、特に複数の水平回転翼を持つロボットを指します。

UAV（Unmanned　Aerial　Vehicleの略）とも呼ばれます。

#飛行 #画像処理

農業分野から見る 農業ロボット

耕運や肥料散布以外でも、猫の手も借りたい作業がたくさん存在しています。

コメント

農業ロボットは、まだまだこれからの分野です。

現場の声に耳を傾けながら実証実験を行うなど、本当に “痒い所に手が届く” ロボットを開発するためのプロセスが非常に重要です。