AGRICONNECT Co.,Ltd.

食農観光塾・山都経営塾

2021年02月08日官公庁・自治体向け事例

クライアント情報

山都町様


プロジェクト背景

【食農観光塾】

山都町では基幹産業である農業振興による町づくりに取り組んでいたものの、高齢化の進展、担い手不足、農作物の価格下落、資材の高騰による収益の悪化などの問題が山積していた。そこで、現状を打開するためには、それらを農業経営単体で捉えるのではなく、農業を起点としつつ、食・観光という複合的な視点を取り入れ、地域内事業者が連携し地域全体の魅力を高める事業創造を目指すこととした。

【山都経営塾】

4年間実施した食農観光塾では塾生は農業者、テーマは農業を起点としていたが、山都町には農業のほかにも医療、教育、観光、移住促進など解決しなければならない地域課題が山積していた。そこで、それら地域課題の解決を行う人材は、農業者に限定せず、町役場職員や飲食店オーナーなどさまざまな領域で活動する町民同士が一丸となり、地域の課題を根本から捉え、課題解決に向けて行動できる地域経営者へと育成していくことが重要である事を認識し、全町民を対象に新たな地域リーダーの発掘と育成を目指すこととした。


実施フロー

【食農観光塾】

  1. 地域産業の課題認識と地域リーダーの資質を学ぶ
  2. 地域の魅力を可視化し、事業の種を発見
  3. 農業×観光の事例学習及び事業検討
  4. 経営者の資質を学び、事業計画を策定
  5. 観光農業事業の創発・企画・推進計画
  6. 次年度以降の事業計画発表

【山都経営塾】

  1. 個人又はグループで取り組む課題テーマの設定
  2. 設定した課題の深掘り
  3. 山都町の目指す姿を明文化
  4. 具体的取り組み案の検討
  5. 課題、目指す姿、具体的取り組みの再検討
  6. 趣意書の作成及び発表

概要

【食農観光塾】

2015年から4年間、山都町内で農業を営む若手農業者を対象に、彼ら自身が山都町の魅力を発見し、それらに食と観光という視点を融合させた事業創造を行うことができる人材へと育成し、農業の垣根を越え、他産業の地元事業者と連携できる機会を提供するために「山都町食農観光塾」を実施した。
町内から毎年15名~20名程度の農業者を募集し、5名のグループを編成。カリキュラムとしては、グループでのディスカッションやフィールドワークを基本に行うほか、農業経営、観光ビジネス、中山間地地域活性などをテーマに、各分野の最先端を知る講師を招聘した講演学習や地域の魅力を活かした観光産業地域の視察などを取り入れた。
当社では塾生の募集からカリキュラムの構成、講師の招聘、視察行程の策定はもちろん、講座の進行、各グループの進捗管理や個別問い合わせ対応、事業推進までをサポート。

食農観光塾 グループワークの様子
食農観光塾 最終事業発表会の様子
食農観光塾 開校式集合写真

【山都経営塾】

4年間の食農観光塾を経て、対象者は農業者から商工関係、行政などすべての町民を対象とし、取り扱う課題テーマも農業、食、観光に留まらず、町民自身が解決すべきと捉える課題すべてに拡張。将来の山都町を牽引し、課題解決に向けた事業創造ができる人材へと育成するために「山都経営塾」を開塾した。
食農観光塾と同様にして町内から塾生を募集し、応募者との個別面接を実施後、グループを編成。全国でも名高いリーダー育成塾である松下政経塾顧問を講師として招聘。講座は主に塾生が考え、議論し、情報収集するという流れを繰り返し、議論そのものを体感しながら課題の根本をいかに捉え、その解決策となる事業検討及び将来ビジョンの確立を丁寧に行っていく。その他、講演講座も行う。
当社では食農観光塾同様、運営業務全般を担う。今年度はオンライン実施の為、動画講座の作成から配信を行った。

山都経営塾 グループワークの様子
山都経営塾 グループワーク資料
山都経営塾 最終発表会の様子

成果

【食農観光塾】

農業と食、観光を融合させた山都町民による新規プロジェクトが誕生した。

Total Winプロジェクト

内容:食農観光塾PR動画の作成。塾生が塾の運営に参画し、公開講座を題材に映像を作成。食農観光塾の趣旨や目的、活動内容を町内外に効果的に周知することを目指した。

やまとのたねプロジェクト

山賊こどもキャンプの実施に向けたプロジェクトの結成。長野県での視察研修を行い、2019年にトライアルキッズキャンプを企画・運営(天候により中止)。山都町の自然を舞台に、自然と暮らす学びを通して、町内外の子どもたちの成長を促すことをコンセプトにプログラムを設計。

チームへそプロジェクト

町外事業者と連携したグランピングのトライアル事業を実施。地域における宿泊施設不足の解決手段として、グランピングや農泊を検討。トライアル実施においては視察者からも好評であった。
また、食農観光塾をきっかけに出会った事業者が決起し、新たな農業ビジネスによる町づくりを行う地域活性会社が創業。地域を支える一員として、観光の視点を取り入れた新しい農業経営を考える地元人材の育成を実現。現在も持続可能な事業推進に向けて活動中。

  • 社名: 「(株)山都でしか」
  • メンバー: 30代~40代前半の農業経営者、飲食店経営者など10名
  • 実績: レストランバスツアー企画・運営、山都町交流イベント「山都de呑みフェス」企画・運営、農産物販売、農泊事業など

【山都経営塾】

若者女性向けのコンテンツ開発

町内に住む20代~30代の女性の暮らしの質向上を行い、女性が休日も過ごしたい町づくりを行うことで、町外への人口流出防止や移住促進に繋げることを目指したトライアルコンテンツを複数実施。お一人様カフェ、セミナー、体験教室などを町内外の事業者と連携し実施した。

山都町民会議

町民の総意が議会や行政に十分に伝えることができない仕組みに課題を感じ、町民100名による町民会議を実施し、町の重要施策に関する町民の意見を取りまとめ、町長に直接総意を届ける仕組みを検討。現在は運営事務局の設立に向けて準備中。

山都CSAプロジェクト

山都町の農業課題の解決策の一つとして集落営農に着目した町民が事業検討。地域の農業を生産者と消費者が協働で守り、運営していくことを目指し、トライアル実施を検討中。


クライアントからの声

町の熱源をつくり出してくれたパートナー

山都町 山の都創造課 グランドデザイン推進室 室長 井手 徹様

山都町では、食農観光塾を通じて同じ思いを持ったメンバーが集い、仲間になり会社ができるというとても良いサイクルが生み出すことができました。私自身事務局も兼ねて、農業経営者と共に受講させていただきましたが、町を改めて見つめ直す機会になり仕事の幅を越えた知識や人とのつながりができました。
山都町にとってアグリコネクトさんの情報量、ネットワーク、自治体単体では来ていただけないような講師の招聘は、どれも大変ありがたいものでした。しかし一番の価値は、山都町の未来を担う若者に熱を与えてくれたことだと思います。まだまだ経営者になりきれていない若手農業経営者に対して「経営者とは何ぞや」という部分や経営理念の大切を教えていただきました。受講生たちはこれまでとは違った視点から農業を見つめ、経営者としての自覚を持つようになりました。またアグリコネクトさんは、講座の中で「考えること」を大切にされます。すぐに答えを教えてくれません。自分で動いて、考えて、それに対してアドバイスをする。それがアグリコネクトさんのやり方です。
これから人口が減っていく中で、私たちは農業・地域を守っていかなくてはいけません。そのためには、町民が主体的に動いてそれを町が最大限にサポートしていくような地域おこしをしていきたいと考えています。実際に行動する町民にやる気や思いがないと、町が主導でやっても事業はうまくいきません。また、思いがあっても踏み出せない人もたくさんいます。そういった町民の主体性を引き出すための熱を、アグリコネクトさんが与えてくれたおかげで塾生が「熱源」となって町民を巻き込み、町を盛り上げてくれています。