AGRICONNECT Co.,Ltd.

生産ビジネス立ち上げ事例

2021年02月08日 企業向け事例

クライアント情報

飲食店チェーンB社


プロジェクト背景

B社は、西日本で飲食店の FC 事業を展開しており、本業での事業拡大は順調で、新たな挑戦として農業参入を検討していた。「観光型農園レストラン」を構想として描く一方で、店舗への原材料供給などで農園単体でも生産者として採算がとれるモデルにしていきたいという思いがあった。農園の候補地を知り合い経由で何件か紹介してもらうなど、できるところから動いていたが、農事業経験のない自分たちでやれる範囲には限界があり、そもそも何をしていいかも分からない中、手探りの状態で外部の力の必要性を感じていた。そこで、当社の農業への新規参入・農業法人設立に関する全般的なサポートと、農業法人コンサルティングの実績より、持続可能な農場経営となるような事業計画(農場面積や栽培品目、販売先の選定など)及び収支計画を作成の依頼を受け、プロジェクトが開始した。


実施フロー

農業参入支援

  1. 農業参入タスク整理
  2. 農地の確保
  3. 品目検討
  4. 農場デザイン
  5. 農業知識の習得(人材育成)
  6. 栽培技術の取得・研修
  7. 販路開拓支援

事業計画策定支援

  1. 事業構想づくり
  2. 実行計画の策定
  3. 事業収支の計画策定
  4. 事業計画まとめ

※下記は一例で参入する農業事業によってフローは異なります


概要

1. 農業参入タスクの整理

新たに農業参入する際にゴール時期を定め、すべきことを最初に整理しておくことで事業化をスムーズに推進した。タスク実行前に必要な準備を行えるよう、タスクと共にポイントを把握。農地確保から生産法人化・人材育成まで農業参入時の重要項目を明らかにし、各項目のポイントやどこに何を確認すべきかなどを一覧表にまとめていった。申請方法や要件などは、最新の正しい情報を取得するために、自治体や農水省に随時確認することや、本タスク一覧表に沿って、B社もしくは当社にて誰が何を行うかを分担していった。

タスク項目(一部例)

2. 事業計画の策定

B社のビジョン・ビジネスモデルを整理し、事業推進に向けて施策の具体化と期日化を行った。次に、初期投資額試算やコスト試算に基づく収支計画を作成し、事業計画として取りまとめていった。

初期投資の試算

  • 整理した設備のメーカー・規格・数量などに沿って必要な初期投資額を試算
  • 事業収支の精度を高めるために、投資すべき各設備の調査を進め、設備メーカーからの見積収集を実施

収支計画の策定

  • 収支計画から事業収益化のポイントを整理し、事業を持続的に推進できる事業モデルを策定
  • 初期投資シミュレーションを用いて、投資回収年数を算出し、実現可能な収支計画を作成
ロードマップのイメージ
収支計画

3. 農地確保

当社ネットワークやこれまでの農業参入支援の経験を活かしながらさまざまな方法でアプローチし、本事業に最適な農地の獲得に貢献。農地の選定指標を基準に農地を評価し、契約の締結までのサポートを行った。また、最適な農地の獲得に向けて多方面から情報収集を行い、適切にアプローチしていった。自治体や農業委員会にアプローチすると、耕作放棄地を紹介される場合が多いため、基本的には地元農家のネットワークでの農地獲得を目指す戦略をとった。

アプローチ方法の例

複数の圃場をさまざまな農地選定指標から定量的に評価することで、最適な農地を選定する。

農地選定指標の例

4. 品目検討

B社における自社生産の野菜を店舗で使用したいというクライアント企業のビジョンに沿った品目検討を実施。持続可能な事業を推進するために、収益性や市場ニーズ・生産難易度を考慮し、品目を決定していった。また、自社商品に使用できる野菜以外にも、事業全体の収益性を考慮し、最適な生産品目の検討を行った。地域性や消費トレンドから最適な品目を候補として挙げ、全体の作業人口を考慮しながら最適な品目の組み合わせを導き出した。

品目検討時の視点の例

5. 農場デザイン検討

最適な農場設計

  • 栽培方法に合わせて、適切な農場の設計を行った。生産効率の良い農場となるよう、生産目標に基づいて栽培面積、選果場までの距離やサイズも併せて検討。
  • 植物工場など、先進技術を用いた農場を検討する場合、モデル事例の視察なども行った。
農場設計時の視点の例

必要設備の整理

  • さまざまな購入先を検討することにより、最も安価に必要設備をそろえる方法を提示
  • 検討した品目に必要な設備について、品目ごとにモデル農家にインタビューを実施
  • 農場全体および品目ごとに必要な設備を整理・把握
想定される設備の例

6. 知識・技術の習得

農業知識の習得(人材育成)

  • 農業生産を行う上で土づくりや施肥設計などの知識を学び、栽培時に適切な判断ができる人材を育成
  • 定期的な学習方法としては、外部研修・セミナーを活用し農業知識を体系的に学ぶ

農業技術の習得

  • 農業生産を行う上で土づくりや施肥設計などの知識を学び、栽培時に適切な判断ができる人材を育成
  • 定期的に農業知識を習得するために、外部研修を活用し農業知識を体系的に学ぶ
基礎研修の例

栽培技術の習得

  • 選定品目のモデル農家にインタビューを実施し、生産工程を整理することでノウハウを標準化
  • モデル農家で工程ごとにスポット研修を受けることにより品目ごとの栽培技術を獲得

研修計画の策定

  • 栽培工程を整理し、モデル農家のノウハウ標準化のためにマニュアルを作成
  • 整理した工程に沿って研修すべき時期をスケジュール化し、研修のポイントを整理
研修計画の例

モデル農家での実地研修

  • 当社のネットワークより、選定した品目のモデル農家を研修先として紹介
  • 工程ごとにモデル農家での研修を受けることで、品目ごとに必要な技術を習得

農業人材の採用支援

  • 自社での農業人材の育成のほかに、即戦力として外部より農業の技術/ノウハウを持った人材を採用する支援を行う

7. 販路開拓

  • 弊社バイヤーネットワークと青果営業の経験を活かし、実需者へのインタビューを実施
  • 生産品目の需要や条件を整理し、継続的に取り組めそうなパートナーを発掘

成果

検討後数カ月で事業立ち上げの全国トップクラスの生産パートナーを発掘・コーディネートし、半年で事業の具体化に向けて動き出していること。